問題13:ねじり荷重がかかる中空の円形梁

モデル概要

モデルの場所:<altair>\utility\mbd\nlfe\validationmanual\model1.mdl

このモデルは、中空の円形断面を持つまっすぐな片持ち梁で構成されています。次のFigure 1に示すように、この梁の終端にはねじり荷重がかかっています。

1. 一端が固定されておりもう一端にねじり荷重がかかる中空の円形断面を持つ梁


ねじれ角とせん断ひずみは、以下のシンプルな梁理論から得ることができます:
ねじれ角
θ = T l G J
せん断ひずみ
γ = θ r l
ここで、
l
梁の長さ
r
梁の半径
J
ビームの軸を中心とする慣性極モーメント
G = E 2 ( 1 + ν )
せん断係数
E
ヤング率
ν
ポアソン比

マルチボディモデル

この片持ち梁は、MotionSolveで10個のNLFEビーム要素を使用してモデリングされます。中空の管状断面を持つNLFEビーム要素を使用するには、内半径と外半径を指定します。この片持ち梁は、固定ジョイントによって地面に固定されています。このモデルでは、重力はオフになっています。

2. MotionViewでモデリングされた片持ち梁


TorqueOnly Force_Vector_OneBody要素を使用して、片持ち梁の終端にトルクが加えられます。STEP関数を通じて、3x107Nmmのトルクが徐々に加えられます:

θ= T1 GJ = ( 3×10 7  Nmm ) × ( 1000 mm ) ( 8 .076 × 10 4  N/mms ) × ( 1 .392 × 107 mm4 )

θ = 0.026686rad

加えられるトルクに関連付けられたマーカーの回転を使用して、ねじれ角が確認できます。この情報は、ABF出力ファイルmodel_1.abfに記載されています。
3. ねじれ角出力のプロット


このモデルは、終了時間5秒の動解析でシミュレートされます。終端のねじりでは、この梁は理論モデルで予測される大きさだけ軸を中心にねじれることが予想されます。

次の材料プロパティがNLFEビームに使用されます:
l
1000 mm
r i
45 mm
r o
60 mm
J = π 32 ( d 0 4 d i 4 )
1.392 x 107 mm4
G = E 2 ( 1 + ν )
8.076 x 104 N/mm2
E
2.1 x 105 N/mm2
ν
0.3

数値結果

前の項で説明したマルチボディモデルは、5.0秒で実行が終了します。出力要求は以下のようにプロットされます。

4. トルクと関連付けられたNLFE上のマーカーのねじれ角


この数値結果のねじれ角は次のとおりです:

θ = 0.026690   r a d

まとめ

10個のNLFEビーム要素を使用したNLFEモデルは、このケースの理論解とほぼ一致することがわかります。

梁理論 数値 誤差
ねじれ角 0.026686 rad 0.026690 rad 0.02%